不眠の原因とその対処方法について

何と言っても、普段の睡眠時間の確保が生活上の基本になります。毎日の睡眠が上手く取れていれば、一日の生活リズムを理想的な形に近づけることが可能になり、空き時間を利用した昼寝もそのリズムの一環として考えれば良いということになります。

要するに、基本の睡眠が確保できて生活リズムが順調ならば、ちょっと寝も期待通りの成果が得られるというわけです。
※ちょっと寝についてはこちらを読んでください。
心地よい睡眠をとるには?快眠するためのアイディア

逆に、不眠に悩んでいる人は、いつも頭がボンヤリしていて不快感がある、それなのに空き時間を利用して寝ようと思ってもスムーズに眠りに入れない、こんな悪循環が続きます。
これは、睡眠を軸とした生活のリズムが崩れた結果です。貴方自身の生活リズムを取り戻すために、その原因について考えてみましょう。

不眠の状態には、早朝覚醒、中途覚醒、入眠障害、過眠などが含まれます。この中で目を引くのは過眠です。「寝過ぎは身体に良くない」と言いますね。しかし、寝ていることに変わりはない、とも考えられます。何故、寝過ぎは良くないのでしょうか。

前に述べたように睡眠時間は人それぞれなので、長さは関係有りません。あくまで主観的に「寝足りない」「頭がすっきりしない」という本人の感覚が問題になります。

個人ごとに異なる睡眠時間という点で分類すると、大きくはショートスリーパーとロングスリーパーに分ける事ができます。
ショートスリーパーは六時間以内で満足し、ロングスリーパーは九時間以上寝ないと満足できないというのが一応の目安です。

また、睡眠時間帯、及び睡眠の回数での分類では、単相性睡眠(朝型・夜型)、多相性睡眠などがあります。単相性睡眠は1 日のうち夜だけ睡眠を取るタイプ、多相性睡眠は老人や乳幼児に多く、昼と夜に複数回睡眠を取るタイプです。

このように睡眠タイプは、人それぞれに固有のものがあります。そのパターンが、知らず知らずのうちに自分の身体を調整していくことで日常生活が成り立っています。

過眠は、このパターンを逸脱して長く眠るところに特徴があります。毎日の睡眠時間が一定していない場合、体がどのリズムに対応してよいか判らなくなるので諸機関に変調をきたすのです。

それは生活リズムの乱れにほかなりません。休みの日など長く寝すぎた次の日に、なかなか寝つけない経験があると思いますが、これは生活リズムを崩したことで普段のパターンが踏襲できなくなっている状況だと言えるでしょう。

不眠の症状がある人は、まず、睡眠が生活リズムの一環であることを肝に銘じて、自分に合ったパターンを考えてみることから始めましょう。その上で、身につけた習慣を容易に変えないような努力が望まれます。

それには、毎日同じ時間に床に入る、深酒をしない、可能な限り食事時間を一定にする、などが挙げられます。

不眠の感覚

些か唐突ですが、ここで人間以外の動物の睡眠時間を見てみましょう。長いものではネズミの18 時間、短いものだとゾウの3 時間、キリンなどは1~2 時間しか寝ていません。

これらは自然環境に拠る所が大きく、単純に人間に当てはめるわけにはいきません。例えば草食動物は、エネルギー補充のために大量の草を摂取する必要があり、その間、絶えず身を守るために睡眠時間が短くなっています。

一方、肉食動物は、エネルギー補充が効果的なために睡眠時間が長く確保できるのです。
その他、餌になるものも無く、寒い冬を生き残るために冬眠をする動物なども存在します。

但し、この動物たちの環境への適応力には、学ぶべき点があると考えられます。人間にも環境変化への適応力は備わっていて、十分な睡眠の確保ができなければ、身体はそれなりの対応をとる事が可能なのです。現実に、世の中には2~3時間しか寝ないで活動を続けている人が存在します。

あまりにも長く続けば身体にも変調をきたすので真似したくはありませんが、それでも十分、体力、知力の活動が保持できている事実は見逃せません。

不眠症に悩む人は例外なく、自分が満足に寝ていないという意識を強く持っています。
実際には寝ていても、その意識が頭から離れない場合も多く見られます。
スムーズに眠りに入れない原因は主にストレスだとされていますが、継続的に不眠状態が続く人の場合は、眠れないという意識自体がストレスとなって眠りを妨げているケースが殆どです。

そのため、睡眠に関するさまざまな条件に非常に敏感になり、その鋭敏な感覚が更に不眠につながるという悪循環ができ上がってしまうのです。
これを払拭するための手段として考えられるのは、第一に、どうしたら不眠を意識しないようにできるかです。それにはまず、睡眠時の環境を自分なりに工夫して整えること。

「これだけのことをしたのだから自分は眠れる」そんな気持ちになれるように、実際に寝具、部屋の模様替えなど真剣に準備することです。
これは実行を伴う自己暗示とも言えるでしょう。何もしないで気持ちの持ち方だけで眠ろうとするより、些細なことでも現実に自分の手で環境を変えた実感は、効果的に働きます。

そして、最も手っ取り早いのが、起きている時間を長くすることです。これに関しては、「試みたが、すぐ元に戻ってしまった」という声が多く聞かれますが、上手くいかない原因は、直ぐに効果を求めすぎるところにあるはずです。

眠いのを我慢して起きていても、生活リズム自体が回復していない状態なので、一週間程度続けても目立った効果は現れないのが普通です。
途中で起きてしまうことが多く、やっぱりダメ、と諦めてしまうパターンです。生活リズムの復元には、予想外の期間を要します。そして段階的に進めなくては直ぐに悪いときのパターンに逆戻りします。

起きている時間は20~30 分刻みで増やす。そして、効果の現れる時期を一ヵ月後と想定してください。気長に続ければ、身体は必ず反応してくれます。

睡眠と食生活

生活リズムの形成に影響を与えるものとしては、食事も重要な要素です。ほとんど意識されない部分ですが、食事は、味覚、食感、など自分の身体に刺激として感じる要素を多く含みます。

摂取する栄養素のバランスを考えることは当然のこととして、それ以外に、食事が身体への刺激になっていることは見逃せません。
不眠に悩む人は、無意識のうちに体内リズムに影響を与える食事について、一度考え直してみるのも良いでしょう。

直接、不眠の原因になるのは、食事にかける時間、回数、などです。
最近、スローフードが提唱されています。これには無意識のうちに体内リズムを整える効果があり、できるかぎり実行することをお勧めします。
食事の回数については、胃腸の正常なリズムを保持するために、三回の食事をきちんと取ることを心がけましょう。一日の食事回数を二回、或いは極端な場合、一回などにすると、胃腸に過度の負担がかかります。

この負担は、精神的なストレスと同様に脳に影響を与え、体の不調ばかりではなく精神面にも悪影響を及ぼします。
ダイエット対策の中には、必ずといってよいほど食事回数の話が出てきますね。それは過食になりがちな食生活に注意を促すのと同時に、食事をとること自体が無意識のうちにストレスを形成することを示唆していると思われます。

食事回数を減らすと、知らないうちにストレスが溜まる、これでは楽しいはずの食事が台無しです。

眠りを誘う食材

普段、口にする食材の中には、入眠効果のあるものが多数あります。その一つがバナナ。
バナナに含まれるアミノ酸が、眠りを誘うホルモンのセロトニンを作る原料になります。

バナナは消化も良いので、寝る前に少しお腹がすいた時など最適な食べ物かもしれません。この他、牛乳にもセロトニンを作り出す効果があります。牛乳にはカルシウムも含まれていて、精神を安定させる働きもあります。

カルシウムは一日を通じてできるだけ摂取したい栄養素です。イライラを静めて神経の正常な働きを助けることで、精神や感情を上手にコントロールすることが可能になります。

それが睡眠にも効果を発揮するのは言うまでもありません。チーズ、ヨーグルト、大豆製品などが、カルシウムを豊富に含む食材として良く知られています。

野菜類は、栄養価や消化の面からも積極的に摂取する事が必要です。
特に神経の鎮静、及び催眠効果のあるものとして、玉葱、レタスがお勧めです。
特に玉葱は眠りに効果があります。理想的な摂取方法は、生食です。眠り成分の硫化アリルを効率良く摂るためには、水にさらさないこと。「あの辛さは、刺激が強すぎてどうも苦手なんだけど・・・」と、いう人はドレッシングなどを工夫しましょう。

硫化アリルの匂い成分は、体内に摂取しなくても嗅いだだけで眠りに効果があります。
輪切りにして枕元におくだけでもOK、これなら玉葱が嫌いな人でも可能ですね。

野菜に多く含まれる食物繊維は、身体の健康維持に不可欠であると同時に、眠りにも大きく作用します。最近、脳の老化防止のために腸の働きを正常に保つことの重要性が指摘されています。

一見、無関係に見える脳と腸の働きですが、その間には因果関係が認められ、そのために腸内の清掃を行う食物繊維の重要性が、一気にクローズアップされることになったのです。食物繊維は、お通じを良くする効果だけでなく、眠りの中枢を占める脳にも良い影響を与えることを覚えておいてください。

疾病による不眠

一般に不眠の原因としては、主にストレスを中心とした精神的なものが取り上げられて問題視されます。しかし、それ以外に、重大な病気が原因となっていることがあるので注意しましょう。

心不全、高血圧などの循環器疾患、或いは肝不全・腎不全、糖尿病などの疾患は、眠りを妨げるだけでなく、放置すれば命にも関わります。不眠に悩む人は、どうしても眠れない不快感だけに気を取られ、その他の体の変調に気づかない場合があるので気をつけてください。

また、さまざまな体の不調を感じても、その原因を睡眠不足のせいだと決めつけてしまう傾向も見受けられます。
これは非常に危険です。どこかに異常を感じたら、転ばぬ先の杖、という意味で健康診断を受けましょう。不安材料を持たないことは、心地よい眠りの必須条件です。

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