大事な情報を忘れないようにするには?チャンキングで手帳いらず

一般的に私達の記憶は不安定な部分があり、常に頭に入れておくべき大事な情報なのに忘れてしまうということがあります。
それに一応は記憶している情報も完全に覚えていなくて、ところどころが欠落していることもあります。

手帳などに書き留めておいて忘れた時には取り出して見る様にすれば良いのですが、何時も手帳を持ち歩いているわけではありません。
やはり記憶しておいた方が便利な情報はたくさんあります。

その様な情報を覚える場合は、チャンキングのテクニックを使いましょう。
チャンキングというのは数字や文字などを、ある決まった区切りでそれぞれ一塊として捉えて記憶するテクニックです。

チャンクを作る時はチャンクは一般的に数字なら7 個前後、文字なら6 個前後、単語なら5 個前後とします。
これは私達の短期記憶が7±2 の情報しか保持出来ないからです。

この7±2 と言う数は心理学の世界では「マジカルナンバー」と呼ばれています。
チャンキングというのは特に目新しいものではありません。
私達は常日頃あまり意識せずにこのチャンキングの技術を使っています。

例えば電話番号です。
電話番号など数字の情報はいくつかの区切りにすると覚え易くなり
ます。

私達が電話番号をプッシュする時は、0786819781 という様に数字を連続してプッシュします。
電話番号というのは本来はこの様に数字が連続して並んだものです。

しかしこの電話番号を記憶しようとする時、そのまま「0786819781」と覚えようとすると簡単には覚えられません。
そこで私達はこの電話番号を紙に書く時は普通「市外局番」、「局番」、「番号」の順に「-(ハイフォン)」で区切って、078-681-9781という様に書きますが、電話番号を覚える時もハイフォンで区切った通りに「078、681 の9781」というふうに覚えます。

ここで大事なことは単に数字を078、681、9781 と分けて覚えたのではなく、それを078、681 の9781 と数字の間に「の」を入れて覚えていることです。

一度声を出して唱えてみてください。
数字の間に「の」を入れるだけでリズム感が出て来て、数字だけの羅列よりも覚え易いはずです。

このリズム感を持たせるというのは記憶をする時にとても大事なことですから、ぜひ覚えておいてください。

この例の電話番号の0786819781 はそのままですと10 チャンクになっています。
ところがこれを「078」、「681」、「9781」とグループ化すると3 チャンクになります。

当然10 チャンクのまま覚えるよりも、3 チャンクにした方が覚え易いので、私達が電話番号を記憶する時は意識せずにチャンキングをしているのです。

この様にチャンキングすると覚えるのにさほどエネルギーも要さず、さらに全部の数字をひとまとめで覚える必要もないので、丸ごと覚えるよりも楽です。

又、チャンキングを使うと数字のリズムや語呂などが発見しやすくなります。
これを別の情報にリンクさせれば更に覚え易くなります。

例えば語呂合わせを利用した記憶術、ニーモニックとは?のところで使った円周率をもう一度見てみますと、円周率の「3.14159265358979323846」はこのままだと21 チャンクです。
それをそのまま記憶しようとすると普通の人ではかなり困難です。

そこでこれを「314」、「159」、「265」、「358」、「979」、「323」、「846」と3 桁毎に区切ると7 チャンクになります。
つまりチャンクは1/3 近くになったので、かなり覚え易くなりましたね。

慣れた人はこの様にして記憶しているチャンクを増やしていって、その結果例えば上記の円周率なら1,000 桁も記憶します。

チャンキングは文字にも使えます。
例えば複数の人に連絡を取る必要がある場合などは、ローマ字で名前を書いた場合の最初の1 文字が、同じ文字で始まる人をひとくくりにしておくと良いでしょう。

買い物をする際も買う物が決まっている場合はあらかじめリストアップし、お店の名前と併記してまとめておきます。
こうすればショッピングモールなどでも、同じ通路を何度も通って行き来しなくてもお店毎の買い物は一度で済みます。

別の物を買うのにぐるぐる歩き回ったあげく買い忘れがあったことに気付いて、又、同じお店に戻ってきてしまう、こんなことも無くなります。

店内の品物の配置を全て把握出来ていない場合にも、こうしておけば余計に歩き回る必要がなくなり時間を節約出来ます。

チャンキングは漢字を覚える時にも応用出来ます。
例えば漢字には「偏(へん)」や「冠(かんむり)」がありますのでそれを基準にチャンキングしたり、「お金に関係のある漢字には貝偏が多い」、「衣類に関係する漢字には衣偏が多い」などの基準でチャンキングします。

分割と組立

記憶術の基本的な手法に「分割」と「組立」があります。
膨大な量の情報を記憶する時にそのまま記憶しようとすると覚えられないので、情報をいくつかに分割して記憶し、それをアウトプットする時に組み立て直そうという手法です。

チャンキングというのは正にこの分割と組立の手法なのです。
分割と組立などというと何か非常に難しいことを言っている様に思われるかも知れませんが、実は昔の人は皆その様にして長い物語や歴史、聖書、仏典などを今日に伝えて来ました。

今日私達は情報を書物として記録するのはもちろんのこと、インターネットやパソコンなど様々な手段で情報を記録し、それを他の人に伝えています。

しかしそれ等は全て近世になってから開発された印刷技術やエレクトロニクス技術を利用したもので、中世以前にはそんなものはありませんでした。

あったのは粘土板や羊皮、パピルス、木簡(もっかん)、竹簡(ちくかん)、布などでしたが、これ等は製本に適さなかったり変質したりかさ張ったりして保存がし難く、大量の情報の長期保存には適しませんでした。

ですからその頃の人達は膨大な量の物語や歴史、聖書、仏典などもその多くは、記憶することによって他の人に伝えて来ました。

この様に口から口へと伝える情報伝達手段を「口伝(こうでん)」と言いますがこの口伝をする際の記憶の手段に分割(チャンク)と組立のテクニックがフルに使われていたと言われています。

聖書や仏典の様な高尚な情報だけでなく、今日私達が聞かされている民話などの庶民文学には、昔は高価だった紙など買えなかった貧しい人達が語り部として今日に伝えて来たものが数多くあります。

「千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)の様な超長編の物語は、1人ではなく複数の語り部が記憶したのかも知れませんね。

今日昔から伝わる民話の中には、同じ様なストーリーの民話が遠くはなれた地域にそれぞれ存在することは珍しくありません。

例えば日本人なら誰でも知っている「浦島太郎」の物語は、世界各地に類似の話があります。

但し、主人公が乗って行く動物は亀ではなくヤギやイノシシ、それに鯉やエイだったりします。

この様に類似の話が世界中にあるのは民話が口伝えに広がって行くうちに、それぞれのご当地に合った話に変質していった為だと言われています

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