花粉になる根本原因とは?花粉症にかかると一生治らないの?

花粉症の原因となる物質は?花粉症に効く薬の秘密で、
ロイコトリエン
プロスタグランジンD2
トロンボキサンA2
の3つを挙げて、「花粉症を根治するためには、3つの炎症物質が発生しない様にすればよい。」とご説明しました。

では一体、これらの炎症物質はいったいどこからやって来るのでしょうか?
答えはズバリ、食べ物です。

食べ物の中に含まれている“リノール酸”という物質が体の中で代謝されて、先の3つの炎症物質が作られます。

リノール酸こそが、
ロイコトリエン
プロスタグランジンD2
トロンボキサンA2
の原材料なのです。

リノール酸という材料が、ロイコトリエンなどに代わっていく流れは下の図の通りです。

この様に、
ロイコトリエン
プロスタグランジンD2
トロンボキサンA2
は全て、リノール酸を原料にして作られているのです。

この流れの上流に、「アラキドン酸」という物質がありますね。
この「アラキドン酸」から下の流れを、「アラキドン酸カスケード」と呼びます。

“カスケード”とは、英語で“滝”とか“処理の流れ”という意味です。
まさにこの図の様に、滝の水が上から下に流れる様にして、化学反応が進んで行く様子を表しているのが、“カスケード”という言葉です。

私なりに「アラキドン酸カスケード」を日本語に訳すと、「アラキドン酸の代謝過程」となります。
リノール酸やアラキドン酸は、私たちの体の中の細胞に溜まります。

そもそも、細胞膜というのはリノール酸などで作られているのです。
その量が通常の人よりも多くなっていることで、アラキドン酸、ひいてはロイコトリエンなどが多く放出されやすくなっているのです。
この状態こそが、「花粉に敏感な状態」なのです。

大事なことなので繰り返しますが、「花粉に敏感な状態」とは、「炎症物質の原材料であるアラキドン酸が細胞膜から放出されやすい状態」のことなのです。

なぜ私が「アラキドン酸カスケード」という難しい言葉を取り上げたかといいますと、アレルギーの薬の9割がこの「アラキドン酸カスケード」を抑えるものだと言われているからです。

アトピーにせよ、花粉症にせよ、喘息にせよ、このアラキドン酸カスケードを抑える薬の投与が、じつに9割も占めているのです。

ここで、「花粉症診療ガイドライン」の目次にある薬の一覧を改めて見てみましょう。

アレルギー性鼻炎の主な治療薬一覧表
抗ヒスタミン薬
ケミカルメディエーター遊離抑制薬
抗ロイコトリエン薬
抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2 薬
Th2 サイトカイン阻害薬
鼻噴霧用ステロイド薬
経口ステロイド薬
交感神経刺激薬
非特異的変調療法薬
生物製剤
主な漢方製剤
付 点眼薬

これが正に、お医者さん達が花粉症患者に処方している薬の種類なのですが、このうちの、
抗ロイコトリエン薬
抗プロスタグランジンD2 薬
抗トロンボキサンA2 薬
は、アラキドン酸カスケードが起こって出来あがってしまった炎症物質を抑える薬です。

では、上から2番目の「ケミカルメディエーター遊離抑制薬」はどういう薬かといいますと、細胞の中で作られたロイコトリエン、プロスタグランジンD2、トロンボキサンA2 が細胞から離れて行ってしまうのを防ぐ薬です。
細胞の中にこれらの炎症物質を閉じ込めたままにしておく薬です。

続いて、上から4番目の「Th2 サイトカイン阻害薬」はどういう薬かといいますと、IgE が過剰に作られない様にする薬と考えてよいです。
IgE を抑えれば、結果としてアラキドン酸カスケードを抑えられます。

続いて、5番目の「鼻噴霧用ステロイド薬」と、6番目の「経口ステロイド薬」とはどんな薬でしょうか。
ここで言うステロイドは、リノール酸からアラキドン酸が作られるのを抑える薬です。

7番目以降の「交感神経刺激薬」、「非特異的変調療法薬」、「生物製剤」、「主な漢方製剤」は、アラキドン酸カスケードを抑える薬ではなく、あまり使われていないようです。この診療ガイドラインは、“薬の辞書”みたいなものなので、全てを網羅するために、少数派のこれらの薬も列記されているのだと思います。

ここまでの説明で、鋭い方はもうお分かりかと思いますが、ガイドラインに書かれている花粉症の薬の殆どは、アラキドン酸カスケードを抑える薬だというわけです。

さて。ここでお伝えしたいことをおさらいしますと、
「リノール酸こそが花粉症の主要な根本原因である」
「そのメカニズムは、アラキドン酸カスケードとして科学的に証明されている」
ということです。

アレルギーや、アレルギーの薬についてより詳しく知りたい方は、インターネットで、「アラキドン酸カスケード」と検索してみることをお勧めします。

原因物質は細胞膜に溜まる

食べ物に含まれているリノール酸がアラキドン酸に代わり、果ては、
ロイコトリエン
プロスタグランジンD2
トロンボキサンA2
などに変わっていくことを説明しました。

しかし、食べたリノール酸がすぐにこれらにまで分解されるわけではありません。
リノール酸のままか、あるいはアラキドン酸に代わった状態で、一旦、細胞膜に蓄積されます。
(食べた量の何%がアラキドン酸に代わるかははっきりしていないようです)

リノール酸およびアラキドン酸が細胞膜にしっかりと溜まった状態は、
ロイコトリエン
プロスタグランジンD2
トロンボキサンA2
といった、炎症物質が作られやすい状態なのです。

花粉に敏感な体質の出来上がりです。
ここで、実際の細胞膜の顕微鏡写真を見てみましょう。

↓こちらが、細胞膜の構造の模式図です。

私たちの体の細胞膜は、主にリン脂質と呼ばれるもの(赤い部分)で出来ています。
“しっぽが2本あるおたまじゃくし”みたいな構造をしていますね。

“おたまじゃくし”の分子構造は、およそこんな感じです。

こうした“おたまじゃくし”には、二重結合の場所やシッポの長さの違いによって、いろんな種類があって、リノール酸はその一種です。

この様に、リノール酸は決して悪者なんかではなく、私たちの体の構成要素そのものなのですね。
ただ、花粉症の人の場合は、何種類かある“おたまじゃくし”の中において、リノール酸の存在比率が高すぎるのです。

つまり、本来はリノール酸と、リノール酸以外の“おたまじゃくし”とがバランスよく含まれているべきなのです。
リノール酸ばかりで細胞膜が作られていては、都合が悪いのです。

この、“細胞膜がリノール酸でやや多めに占められている状態”こそが、花粉に敏感な状態、というわけです。

細胞膜がリノール酸でいっぱいいっぱいの状態で、抗原である花粉が鼻粘膜に付着すると、細胞膜にてアラキドン酸やロイコトリエンなどが作られやすいのです。

そして細胞内で出来上がった、
ロイコトリエン
プロスタグランジンD2
トロンボキサンA2
などが細胞膜から過剰に放出されて、炎症が引き起こされます。

しかし逆に、細胞膜に溜まっているリノール酸およびアラキドン酸の量が少なければ、これらの炎症物質はそれほど多くは放出されません。

さて。
細胞膜に含まれるリノール酸の割り合いを少なくする具体的な方法は、ズバリ、
リノール酸が多く含まれている食べ物を、できるだけ食べない様にする
ということです。これだけです。

私たちの体は、リノール酸を体内で作ることが出来ません。だから体内の全てのリノール酸を、食べ物から確保しています。
食べたリノール酸が細胞膜として溜まるわけですから、リノール酸を食べ過ぎなければ良いのです。(
あとは、徐々にリノール酸の量が減ってくるのを待ちましょう。

私が関わった人々の殆どは、1週間から1カ月半ほどで効果を実感されています。

体に「許容量がある」は本当だった

ところで、花粉症に関する、こんな噂を聞いたことがありませんか?
「花粉症は、ある“モノ”が体の許容量を超えて体に溜まると発症する。一旦、許容量を超えて溜まってしまうと、一生涯、花粉症は治らない。」
と。

これを初めて語った人物が、リノール酸について知っていたかどうかは分かりませんが、この表現は“半分当たりで、半分はずれ”だった様です。
「体に溜まる、ある“モノ”」があることはまぎれもない事実で、その物質とは、正に「リノール酸」のことですね。

しかし、幸いにも、
「許容量を超えて溜まってしまうと、一生涯、花粉症は治らない。」
の部分は完全にハズレです。

実際、1週間~1カ月で花粉症の症状が一切出なくなった方が、私を含め、何人もいますし、アラキドン酸カスケードや、薬が効くメカニズムとして科学的にも証明されています。

体の中のリノール酸は、それを食べない様にすることで、確実に減らすことが出来るのです。
その結果として、多くの方々が実際に花粉症の症状が一切出なくなっているのです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする