子どもの身長を伸ばすための4つのポイント

子供は、年々背が伸びていきます。
赤ちゃんから5歳くらいまでは、母乳と食事内容のみでその身長は決まります。したがって、母乳不足、離乳食をあまり食べない、好き嫌いが多いなどの場合、小柄な子供に育ちます。

その後、小学校低学年の間には、成長ホルモンと甲状腺ホルモンが分泌され、なだらかに背は伸びていきます。
そして、小学校高学年くらいになると『第二次性徴期』には入り、成長ホルモンと性ホルモンの関係で一気に背が伸びます。
この一般的に使われる『背が伸びる』と言う言葉は、正確に言うと『骨が伸びている』のです。

『骨が伸びる』

さて、この骨。一体、骨はどのようにして伸びていくのでしょうか?
脂肪や筋肉と違い、かたい骨が伸びていくのは想像しにくいかもしれません。

骨というのは、ご存知の通り、ひとつの長い棒で出来ているわけではありません。骸骨を見ても分かるように、部分によって細かく分かれています。
その、それぞれの骨の端っこに、「骨端線」と呼ばれるものがあります。この骨端線より先の部分は、柔らかい軟骨細胞で成り立っています。

この柔らかい骨端軟骨細胞部分が伸びていくのです。
と言っても、突然骨が突き出てくるわけではありません。
骨端軟骨細胞部分が、溶けては固まりを繰り返し、新しい骨を形成していくのです。

骨が伸びる仕組み

骨端軟骨

破骨細胞:古い骨を溶かし、カルシウム、コラーゲン(たんぱく質の1種)に変換する

骨芽細胞:コラーゲンを原料に骨を形成、カルシウムを表面に付着する

新しい骨の完成

この軟骨細胞を活性化させるのが『成長ホルモン』です。
成長ホルモンが分泌されると、肝臓や腎臓などに作用し「ソマトメジン」という物質を作ります。
このソマトメジンが血中に入り、この軟骨細胞の動きを活発にし、骨が伸びていくのです。

しかし、この現象は一生続くものではありません。
成長ホルモンの分泌が減少し、この軟骨細胞が閉じると伸長は止まります。

ですから、背を高くするためには成長ホルモンを大量に、また長期に渡って分泌する必要があります。

しかしながら、いくら成長ホルモンが分泌されても、骨になるための物質がないと骨は出来ません。
伸長を望むためには、骨自体を作るための栄養素をからだに取りこまないといけないのです。

子供の背を伸ばすには?

それでは、具体的にどうすれば子供の背は伸びるのでしょうか?

答えは、「よく眠り、よく食べ、よく遊ぶ」ことです。
伸長に必要な骨の成長には、成長ホルモンの分泌が欠かせません。
この成長ホルモンは眠っている間にもっとも多く分泌されます

年齢にもよりますが、小学生の高学年の場合、毎日9時間ぐらいの睡眠は確保したいものです。
また、この成長ホルモンは、性ホルモンの分泌が増えるとともに減少していくという性質を持っています。
性ホルモンとは、性腺刺激ホルモンと呼ばれるもので、思春期になると分泌が開始されます。

性ホルモンが分泌されはじめる最初の時期には、成長ホルモンと一緒に働くため、背が急激に伸びていきます。

しかし、この性ホルモンは、同時に軟骨細胞を固める作用もあるのです。そのため、徐々に背の伸びが悪くなり、ついにはストップしてしまうのです。

成長ホルモンと性ホルモンの関係

成長ホルモン+性ホルモン

背が伸びる

性ホルモン分泌増加

軟骨細胞が硬化する

成長ホルモンが減少する

伸長が止まる

つまり、性ホルモンの分泌が多い『思春期到来が早い』子供、すなわち『成熟が早い』子供は伸長が止まるのが早いのです。

たとえば、女の子の場合、初潮がくると、その後の伸長は5~6cmくらいと言われています。
ですから、初潮時の身長が非常に低ければ、最終身長が低いままになってしまうのです。

(例) 12歳で初潮を迎えた場合
12歳の時の伸長:140cm
最終伸長:146cmくらい

例外もありますが、統計的に初潮が遅い子供の方が、背が高くなる確率は高いと言われています。

「でも、思春期を変えることなんて出来るの?思春期は自然の摂理じゃないの?」
あなたは、このように思われるかもしれませんね。

実際、自分の思春期がいつどうやって始まったのかなど誰も分かっていないものです。
「思春期を遅らせる」と言うことは、すなわち、「からだの成熟を遅らせる」ことです。

「からだの成熟を遅らせる」ことは、出来ないことではないのです。
まず第一に、肥満児。
太目の子供は、からだが大人びて見えますよね。しかし、背丈の方はなかなか伸びないことが多いのです。

これはどういうことかというと、肥満になると、レプチンと呼ばれるホルモンが多く分泌されるようになります。このレプチンという成分が、からだの成熟を早めてしまう性質を持っているのです。

最近よく問題になるのが、子供のインスタントフードやファーストフード、スナック菓子などの大量摂取です。
これらの食品を子供が日常的に摂取していると、脂質・糖質の取りすぎとなり肥満を招くことになります。そして、伸長をとめてしまうのです。

肥満児の背が伸びにくいメカニズム

インスタントフードなどの大量摂取

脂肪量が増える

レプチンが増える

からだを成熟させる

第二に、睡眠不足であると性ホルモンの分泌が増加することが分かっています。
成長ホルモンを多く分泌し、性ホルモンを抑えるには睡眠は絶対必要なのです。これらのことに気をつけることで、子供の思春期を若干遅らせることが可能になるのです。

次に、子供の頃に極端なダイエットを行うのも感心しません。栄養が足りなくなり骨の形成やホルモン形成の妨げになります。

「肥満はダメで、でもダイエットもダメなの?それではどうすればいいの?」

すでに肥満気味の子供の場合、もちろん標準体型になるべく努力をすべきです。
しかし、単品や食事制限などのあるダイエットを行うと、体重が落ちても伸長も望めなくなってしまいます。
低カロリーでありながら、栄養バランスの取れた食事をきちんと取り、運動量を多くして健康的に痩せることが大切です。
食事をきちんと取ることが、からだを作ることになり、その結果、背を伸ばすことにつながるのです。

「ちょっと待って。背を伸ばそうと思って、牛乳をたくさん飲んだし、ご飯もいっぱい食べた。でも、伸びなかったんだけど」

こういう人もいることでしょう。
背が高くなりたいから牛乳を飲む。

これは、今や常識のようになっています。うちの母などは、自分の142cmの身長をずっと子供時代に牛乳がなかったせいにしています。

牛乳=長身。
実はこれは迷信なのです。

大抵の人が、骨といえばカルシウムをイメージします。
あたかも、骨の成分はすべてカルシウムであるかのようにです。しかし、骨の成分はカルシウムだけではないのです。

カルシウムは骨を強化する石灰のようなものなのです。
カルシウムは骨に必要不可欠な栄養素です。しかし、それだけでは骨は作れないのです。

それでは、骨は何で出来ているのでしょうか?
骨の主成分は「たんぱく質(プロテイン)」です。
ですから、いくら牛乳を飲んでカルシウムを取っても、このたんぱく質を多く摂取していないと骨が作れないのです。

また、軟骨細胞の細胞分裂のために必要な成長ホルモンの分泌を促進させるのは「アルギニン」と呼ばれる物質です。
アミノ酸(たんぱく質の構成物質)のひとつであるアルギニンは、成人すると体内で形成されますが、子供の時には食材から取り込まないといけません。
そして、このアルギニンを効果的に働かせるには、野菜や果物から多くのビタミンを同時に取る必要があるのです。
(アルギニンを多く含む食材:ごま、海老、ナッツ類、レーズン、大豆、鶏肉、牛肉など)

加えて、亜鉛も、子供の成長においては重要な役割を果たしています。
亜鉛は、成長ホルモンの素となるたんぱく質の合成を助け、骨を伸ばすように作用します。
(亜鉛を多く含む食品:ピーナッツ、鰻の蒲焼、レバー、ゴマ、納豆)

伸長には、これらの栄養素の助け合いが必要なのです。
ですから、ただ牛乳をたくさん飲めば、背が伸びるということはないのです。

また、ご飯をたくさん食べても、これも伸長には効果がありません。
ご飯は炭水化物(糖質)です。
炭水化物はエネルギーを作り出しますが、残念ながら骨の生成、背を伸ばすことには関係がありません。

したがって、子供時代に、一生懸命ご飯と牛乳を取っていた人には申し訳ありませんが、あんまり役には立っていなかったのです。
それどころか、ご飯と牛乳で満腹感を得てしまい、たんぱく質その他の伸長に必要な栄養素を十分に取れていなかった可能性もあります。

子供の背を伸ばすためには、まず「からだをちゃんと作る」と言うことを目標にしなければいけません。
そのためには、栄養バランスは非常に大切なのです。

次に、よく遊ぶですが、これは『からだを動かせ』ということです。
からだを動かすことで、成長ホルモンに刺激を与え分泌させ、かつ、全身に行き渡らせることになります。

ちなみに、バスケットボールやバレーボールが背の伸びるスポーツだと思われていますが、根拠はありません。
「でも、バスケットボールやバレーボールの有名選手はみんな背が高いじゃないか!」

これは、たまたま背の高い人がそのスポーツに向いており、頭角をあらわしただけの話です。
背を伸ばすためには、適度な運動を心がけるだけでよいのです。
縄跳びでも、水泳でも、鬼ごっこでも、好きな遊びを楽しむことです。

子供の場合、一日2時間ぐらいは外で遊ぶようにするべきです。運動する事により、熟睡できるようにもなるので、成長ホルモンが大量に分泌されるようになります。

背の高い子供を作るには・・・・

十分な睡眠時間を確保する
たんぱく質の多い、栄養バランスの良い食事を与える
からだを動かす

また、子供時代に、親から過度に期待されると子供が伸び悩むと言われています。
これは、親からのプレッシャーが、子供ながらにストレスと感じるからです。
ストレスは成長ホルモンの邪魔をします。ストレスと成長ホルモンの関係については、後々お話しすることにします。

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