ADHDの問題を解決するための5つのアプローチ

前回は、環境、心の在り方、行動という3つの要素についてお伝えしました。
ADHDの長所は?成功するためのポイント

人はまず、環境から影響を受けます。
つまり、何を見て何を聞くといった、外部からの影響を受けるのです。
そして、最終的にどのような行動をするのかは、心の在り方が決めます。

つまり、こういうことです。
環境(外部からの影響,五感からの刺激) → 心の在り方→ 行動(言動)

そしてさらに、心の在り方は、感情、イメージ、思考の分類できます。
感情は、悲しい、苦しい、楽しい、嬉しいといったものです。

この感情は、身体に感覚としてあらわれるという特徴があります。
例えば、やりたくない仕事をやっていると、胃のあたりが不快な感覚になります。
責任感がある人は、慢性の肩こりで悩んでいます。
不登校の子供は、いつも下痢をしています。

これらは、全て感情が身体の感覚としてあらわれたものなのです。

次にイメージです。
イメージとは、頭の中で映像、音、匂い、味、触覚など五感でイメージすることです。
また、脳は言葉ではなくイメージにより記憶されているという特徴があります。
過去の記憶を思い出したとき、過去の記憶を映像や音として思い出すのは、脳がイメージで記憶しているからです。

最後に思考です。
思考とは頭で考えたり、解釈することです。
多くの人は、考えることで答えを導き出します。

このように一言で心の在り方と言っても、感情、イメージ、思考の3つがあるのです。
これを環境、行動と合わせると、合計5つの要素となります。
そして、5つを並べるとこうなります。

環境→ 感情→ イメージ→ 思考→ 行動

私たちは、ほぼ無意識にこの5つを経験しているのです。
例えば、スーパーでリンゴを買うときは、次のようなプロセスをほぼ無意識に経験しています。

スーパーでリンゴを買うときに、起きている5つのプロセス
1.スーパーの棚で、リンゴを見る→ 五感を通じて環境から情報を得る
2.おいしそう!と感じる→ 過去の記憶と照合して感情が生じる
3.リンゴが再度記憶される→ イメージを再構築して記憶する
4.買うかどうか考える→ イメージを基に思考する
5.リンゴを手にとる→ 思考により意識的な行動をする

そして、環境、感情、イメージ、思考、行動、これらを変化させる方法を知ることで、無理なく自分自身を変えることができるのです。

ちなみに、この5つの過程はADHDですと、多くの場合次のようになります。
1.環境→ 五感を通じて環境から情報を得る
2.感情→ 過去の記憶と照合して感情が生じる
3.イメージ→ イメージを再構築して記憶する
4.思考→ 好きなこと以外では、思考を飛ばしてしまうことがある
5.行動→ 思考を飛ばしてしまうために、反射的な行動をする

さらにわかりやすくするために、この脳の中で起きていることをイラストにしました。
イラストでは、女の子がケーキを見てから食べるまでの過程を説明しています。

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まず初めに五感を通じて環境から情報を得ます。
このイラストでは、女の子がケーキを見ています。

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五感から得た情報が過去の記憶と照合され、感情が生じます。(主に脳の扁桃体が反応)

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その感情によって、五感から得た情報をイメージとして再構築します。(イメージが脳の大脳皮質に記憶される)

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再構築されたイメージを基に思考します。このイラストでは、女の子がケーキを食べるべきかどうか迷っていす(主に脳の前頭葉内にある前頭連合野が担当)
※ ADHD は好きなことなら集中する

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最後に行動します(意識的または反射的)

5つの全てにアプローチすることで、問題を解決する

ADHDに対して用いられる心理療法としては、行動療法が主に用いられます。
行動療法は、その名の通り、行動(言動)を変えることで問題を解決します。

しかし、実のところアプローチできるのは、行動だけではありません。
先程も伝えた通り、全部で5つものプロセスが存在しますので、複数からアプローチすればよいのです。

それには、ひとつの心理療法だけでなく、さまざまな心理療法を活用する必要があります。
そこでこのブログでは、環境・感情・イメージ・思考・行動の全てにアプローチするために、複数の心理療法を用います。

・環境を変えることで、五感から入る刺激が変化し、環境に翻弄されなくなります。
・感情の扱い方をマスターすることで、感情に振り回されることがなくなります。
・イメージの扱い方をマスターすることで、過去の記憶に振り回されることなく、そして、よりよいイメージが自然にできるようになります。さらにそのイメージがよりよい行動を生み出します。
・思考の扱い方をマスターすることで、悲観的な考え方から、希望や良い未来を考える習慣が身につきます。また、環境・感情・イメージに振り回されることがなくなると、思考も落ち着いてできるようになります。また、知識を得ることで、新しい考え方や行動ができるようになります。
・小さな行動パターンを変えることで、それが後に大きな変化となります。また、環境・感情・イメージ・思考に振り回されることがなくなると、行動パターンも自然と変化します。

5つのアプローチは、さまざまな分野で活用されている

ところで、環境、感情、イメージ、思考、行動の5つからアプローチ可能といわれても、話が急に飛躍してしまって、よくわからないという方もいるかもしれません。
そこで、この5つがどのような場面で活用されているのかお伝えします。

例えば、風水では、物の配置を変えます。
これは、環境からアプローチしています。

ヒーリングでは、身体を癒すことで感情を癒すものもあります。
これは、感情からアプローチしています。

マーフィーの法則では、「イメージしたことが現実となる」といいます。
これは、イメージからアプローチしています。

コンサルタントは、戦略を考えます。
これは、思考からアプローチしています。

自己啓発セミナーでは、「まずは行動しなさい」といいます。
これは、行動からアプローチしています。

このように、さまざまな分野で別々に活用しているのです。
そして、それぞれの分野でアプローチに偏りがあるのです。
専門家によってアドバイスが全く異なるのは、このような原因もあるのです。
また、人によって、5つの内のどのアプローチが有効なのかは異なります。
そのため、ひとつにこだわることをやめて、5つの全てを試した方がよいのです。

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