潜在意識を知れば、ADHDと脳の性質がわかる

ADHDは潜在意識の優位性が高い人たちとお伝えしましたが、ここでその理由をお伝えします。
まずADHDの長所として、イメージ力が高い、直感力があるなどの特徴があります。

これは、前回の5つのプロセスの、環境・感情・イメージ・思考・行動の内、どこに該当するのかといいますと、イメージはそのまま“イメージ”です。これは、映像や音声や味・匂いなどを想像したり、思い出すことです。直感は、感情を身体の感覚として察知することですので“感情”です。

そして、潜在意識はイメージや感情にとてもよく反応するという特徴があるのです。
今度はADHDの苦手とする、注意欠陥について見てみましょう。

これは、前回の5つのプロセスの内、どこに該当するのかといいますと、“思考”です。
ADHDにとって、順序立てたり、理性的に考えることは多くの場合苦手です。
この順序立てや、理性は思考によるものです。
そして、思考は顕在意識が担当しています。

そのようなことから、私は“ADHDは潜在意識の優位性が高い人たち”と定義しているのです。
以上のことから、潜在意識の特徴を知ることは、ADHDをより深く知ることにもつながるのです。

この潜在意識は脳の90%以上を占めていて、私たちの過去の記憶、行動パターン、価値観などが蓄積されています。
そして記憶は、言葉ではなくイメージで記憶されています。
そして残りの10%未満の領域を、顕在意識といいます。

私たちの意識的な決定や思考は、顕在意識によるものです。
また、この9:1という比率から見ると、潜在意識の特徴は、ほぼそのまま脳が持つ特徴と見ることもできます。
つまり、偉大な天才達は脳をフル活用していた人達なのです。
潜在意識と顕在意識は、次の図のような関係にあります。
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次に、潜在意識の特徴をさらに深く説明させていただきます。
そして、その中でADHDとの関係をより深く見てみましょう。

潜在意識の特徴とADHDとの関係

1.言葉よりもイメージに強く反応する
潜在意識へのアクセスは、言葉ではなくイメージにより行われます。
潜在意識は、過去を記憶していますが、その記憶は言葉ではなくイメージにより記憶されています。
そのようなことから、潜在意識へダイレクトにアクセスするには、言葉ではなくイメージを用いる必要があるのです。

そのような中、言葉に敏感に反応する人もいますが、それは言葉から連想したイメージに反応しているのです。
ですから、言葉からイメージできないものには、過敏な反応はしません。
そして、ADHDはイメージ力が高い人が多いことは、この潜在意識の特徴がそのまま当てはまります。

2.感情が伴うものに強く反応する
感情が伴うものに、潜在意識は強く反応します。
そして、ポジティブな感情はもちろん、ネガティブな感情にはさらに強く反応します。
これは、自然界では、ネガティブな感情が生き残る上でとても重要なものだからです。
ADHDの多くは、理性的というよりも感情的な人が多いのですが、これはこの特徴からきています。

また、逆に言えば、感情が伴わないことには反応できないわけですから、“やらされている”、あるいは、“やらねばならないこと”などは、なかなかできないのです。
そして、“やりたいこと”は感情が伴いますので、とても集中できるのです。

3.反応が反射的である
潜在意識は、考える前に反応するという特徴があります。
例えば、自動車の運転をしている時、急に歩行者が目の前にあらわれたら、多くの人は考える前にとっさにブレーキを踏みます。
それは、潜在意識のなせる技なのです。
また、ADHDの中には、瞬時に怒ってしまう人もいますが、これは潜在意識が反射的に反応していて、さらに、ネガティブなものに反応しているからだと考えられるのです。

4.時間や空間を認識できない、現実と想像を区別できない
潜在意識は、時間や空間を認識できません。
ですから、過去に起きたことを思い出すと、まるで今起きているかのような感情になるのです。

この特徴は、過去のことのみならず、まだ起きていない未来にも当てはまります。
願望が達成された未来を想像するだけで、まるで今起きているかのような感情になるのです。
また、何かに集中していると、時間があっという間に経過してしまうのも、何かに集中している時は、潜在意識の優位性が高くなり、時間の認識が薄れるからです。
ADHDの多くは、時間の認識が薄い人が多いのですが、これは、この潜在意識の特徴とも関係しています。

5.検索エンジンのように、さまざまなところから情報を集める
潜在意識は、インターネットの検索エンジンのように、情報を検索するという特徴があります。
そして検索対象は、目や耳などの五感から入る情報と、自分自身の脳です。

インターネットは、文字で検索しますが、潜在意識はイメージで検索します。
ADHDは、注意欠陥という特徴がありますが、より正確に表現するとそれは、さまざまなものに注意が向いてしまうという症状です。

これは、潜在意識の優位性が高いために、全てが検索対象になってしまっているのです。そして、全てが検索対象となってしまうことから、あちこちに意識が向いてしまうのです。

6.繰り返し起こることを重視する
潜在意識は、繰り返し起こることを重視するという特徴があります。
自己暗示は繰り返すことで効果が増しますが、それは潜在意識が繰り返すことを重視するからです。

逆に言えば、いつもやらないことは、それほど重視しないということです。
ADHDの症状を持つ人の多くは、「わかっていてもできない」といいます。
そしてその多くは、小さな行動を毎日行うことが習慣化していないことが多いのです。

ADHDは意識的な行動が苦手なのですから、たまに行ってもうまくいきません。
なぜなら、ごくたまに行っても潜在意識は重視しないからです。

7.ネガティブなこともポジティブなことも、区別せず受け取ってしまう
潜在意識は、ネガティブなことと、ポジティブなことを分けて判断できません。
全てを「その通り」と受け取ってしまいます。

ADHDで悩んでいる方の多くは、子供の頃にたくさん叱られてきています。
子どもの頃から、「おまえは、何てダメなヤツなんだ」という言葉を繰り返し受けていると、潜在意識は「私はダメなヤツなんだ」とそのまま受け取ってしまい、その通りの人生を歩もうとしてしまうのです。

8.継続してきた習慣を守ろうとする
潜在意識は、これまで継続してきた習慣を守ろうとします。
どのような症状や問題であれ、潜在意識にとってはこれまで生き抜いてきた能力なのです。

新しいことにどんどんチャレンジする人が、何もしないでいると落ち着かなくなったり、静かな生活を送っている人が派手な生活に急激に変わるとストレスに感じるのは、この潜在意識の特徴からきています。

しかし、小さな変化であれば、潜在意識はそれほど抵抗を示しません。
ですから、何事も小さなことから始めた方がうまくいくのです。
そして、小さな変化を継続することで、後に大きな変化になってゆき、それがまた新しい習慣となります。

9.ボーッとしている時や心身がリラックスしている時に、働きやすい
潜在意識は、ボーッとしているときや、心身がリラックスしている時に働きやすいという特徴があります。
このような状態の時は、意識の抵抗が緩んでいます。
ADHDの中には、年中ボーッとしている人も多くいます。
これも、潜在意識の優位性が高く、意識が薄れていると捉えることができます。

10.自ら選んだ目的があると活性化する
人から押しつけられたものではなく、自ら選んだ目的があるときに潜在意識は活性化します。
ADHDの特徴として、やりたいことには集中できるという人もいます。
そしてやりたいことの多くのは、自ら選んでいて、それぞれの目的があるからこそやりたいのです。

例えば、ゲームに依存している人は、自らゲームを選びます。そして、その目的はさまざまですが、「平凡な日常から脱するため」という目的の人もいます。

11.全てとつながっている
潜在意識は、全てのものとつながっています。
シンクロニシティー(共時性)という言葉があります。
これは偶然にしてはできすぎたこと、奇跡的なごとは、潜在意識が全てとつながっているために起るという考え方です。

私たちは、ひとりで生きているのではありません。全てとつながって生きています。
私たちは、過去の人々の生き方から学び、そして、それを未来に活かすこともできます。そして、未来からさまざまなことを引き寄せることもできるのです。

私たちは、全てつながっているということをもう一度意識してみましょう。
異なる分野の中に、問題解決のヒントが隠されている

以上が潜在意識の特徴であり、そしてADHDとの関係です。
どうです? 一見全く異なる分野の中にこれほどの共通点があるのです。

私たちは、何か問題が起こると、どうしてもその分野だけに特化して調べてしまいますが、実は異なる分野の中に、多くの問題解決のヒントが隠されているのです。
また、潜在意識の特徴を見ていただいてわかる通り、潜在意識の特徴が全て良い方向に働くわけではありません。ですから、潜在意識を上手に活用する必要が求められるのです。
そして、潜在意識を活用するには、感情やイメージへアプローチする心理療法が有効です。

さらに、意識的な行動(顕在意識の行動)を習慣化させる(潜在意識に重視させる)ために、行動療法も同時に活用するのです。
だからこそ、複数の心理療法が必要になってくるのです。

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