転職活動で思い込みや間違いで勘違いしているよくある10のポイント

これから進路を選んでいく方向が間違った情報によってずれてしまわないよう、転職活動に関する誤った情報や事実とは違う思い込みなどを10個取り上げました。

① 「年収も低く、いい会社に勤めていないので私の市場価値は低い。だから、私はあまり世の中に価値のない人間だ」

根本的な考え方として、市場価値と人間の価値は直接的に全く関係ありません。
しかし現実として、市場価値が高い人は「自分は価値ある人間だ」と感じており、市場価値が低い人は「自分は価値のない人間だ」と感じる傾向にあるというデータが存在しています。

ここではっきりさせたいことは、人間にはひとりひとり固有の価値があり、それは他者と比較しても仕方がないということと、市場価値というのはあくまでこのビジネス社会においてどれ位通用するかということだけであり、ひとつの価値指標でしかないということです。

いくら市場価値が高くても、自分の仕事に納得しておらず、幸福感を感じていない人も世の中には多数います。

自分がどれ位社会で通用するのか、という観点から自分の市場価値に興味を持つこと自体は自然なことだと思いますが、間違ってもそれを自分自身の価値と関連づけないことです。

② 「転職すると幸せになれる。なぜなら、転職誌や転職サイトでインタビューに答えている人達は皆幸せそうで、「転職して良かった」と言っているから。」

結論からいいますと、残念ながら、転職誌や転職サイトで顔を出してインタビューに答えている人達の話は、全て広告です。そういったインタビューは、雑誌やサイトの運営者側が無料企画として持っていく場合と、あくまでクライアント企業の広告として作られる場合がありますが、どちらも綺麗ごとだらけです。

原稿の殆どは、人事部などによってチェックされ、会社にとってマイナスとなる内容は修正や加筆をされます。それはそうですよね、お金を払って広告に載せているのに、自分たちのマイナスになるような情報を発信するのは無駄ですから。

インタビューに答える人も、そういった背景を理解しているため、必然的に回答が優等生的になります。どのインタビューを見ても、わりと同じような内容と流れが見受けられるのはそのためです。

また、インタビューを受けている方も、自分の名前やポジションが表に出てそれが後々まで残るため、不用意な発言はしないようにと防衛的になります。
万が一その人が今後転職をすることになったとして、当時在籍していた企業の悪口を公に言うような人だとわかったら、どの企業も採用したくないですよね。
従って、「今の会社に移れてよかった」という調子になるのです。

ちなみに、覆面座談会という形式になっていて、働いている企業や名前が一切伏せられているタイプのものは逆に信用できます。普段感じているのになかなか表に出すことのできない、日頃たまっている鬱憤をはらす機会であるのと同時に、匿名という安心感もあって、本音で話し易くなるからです。

なお、参考までに、最近は多くの企業がそういった実名で社員が出るようなインタビューを嫌がります。もしエース級の人材をそういった紙面やサイトに登場させると、ヘッドハンター達の格好の標的になる可能性が出てくるからです。

従って、もっと裏を読むと、堂々と名前と顔写真を出してはっきりとしたコメントを発表している人の場合、何かしらの理由があるかもしれない、とまで考えることができるわけです。

③ 「転職に関しては、プロのキャリアアドバイザーに任せれば安心」

ウェブサイトや電車内の広告で「転職のプロに相談」「キャリアアドバイザーがあなたをサポートするから安心」とうたった文章をよく見かけますよね。
実は、これは当たっていることもありますが、外れていることの方が多いです。

まず、キャリアカウンセリングに関する本当のプロが日本には少ないです。
キャリアカウンセリングに関する国家資格はまだ正式に存在しておらず、現在でも、どこの団体が創設して国にどう認可されるか、そのために何人が取得した等の実績があるか・・・、といった利権絡みの争いが続いています。

さらに、資格を持っていたとしてもそのカウンセラーの能力とはまた別の話です。
例えてみると、“学校の先生”なのにその立ち居振る舞いや学校外での生活態度が全然子供のお手本にならなさそうな“先生”のような人です。

転職支援業界における“キャリアカウンセラー”というのは、いくら「プロ」と名乗っていても、結局はどこかの人材斡旋(人材紹介)会社に所属している人であり、その人(会社)が持っている求人案件を薦めてくるビジネスマンです。本当にプロとして活動する場合、企業からお金をもらうビジネスモデルにしてはいけません。そうすると、支払いを受けた企業に人を送り込まなくてはいけないからです。

たとえば、「今まで5,000人と面談しました」という数字を出している方がいます。
その数字だけを聞くと「おぉ、スゴイな」と思ってしまうのは人間の心理であり、数字のマジックであるとも言えます。

しかし現実は、大手人材紹介会社の“キャリアカウンセラー”という名前のポジションの人だと、1日6人×22日で約130人、約40ヶ月(3年半程度)で届いてしまう数字なのです。極端な話、大学新卒の子にいきなりキャリアカウンセラーポジションで仕事をさせる会社もあり、下手すると25歳で達成できてしまいます。

従って、そういった人たちの意見ももちろん参考にしながらも、それとは別に独自で転職情報の収集経路は持っておいた方が安心、ということになります。

④ 「資格を取った方が転職に有利」

特に教育産業、資格取得支援業界で叫ばれることですが、弁護士や公認会計士など「その資格を保持していないと業務を遂行することが認められていないもの」を除けば、あとはケースバイケースで、必ずしも有利、ということもありません。

一例を挙げましょう。国内の短大の英文科を卒業し、その後も頑張って資格取得のために英語を勉強して何とか英検1級をとったが、あまり日常では英語を使ったことがない人と、小学校までアメリカにいた帰国子女で英検の資格は持っていないが、今でもちょくちょく英語を使っていて仕事場で使うこともためらわない人、英語をビジネスシーンでも使う職場の採用担当者ならどちらを魅力的に感じると思いますか?

そうです、いくら資格を持っていても、それをどうやって実用的に使っているのかの方が重要なことが多いです。

「そうは言っても、ないよりはあった方がいいでしょ」と反論する方も時にいます。
もちろんあるにこしたことはありませんが、もしあまり使われていない資格を取得するために、レジュメ上に「空白期間」があったとしたら、その分評価はかなり下がってしまうのが現実です。

それでも・・・とまだ恐れる方に、GE(ゼネラルエレクトリック)社のCEO,世界的に有名な経営者であるジャック・ウェルチ氏の言葉をご紹介します。
MBA(経営学修士)はビジネス界においてキャリアアップの道だと言われますが、
「MBAの資格?もちろん有利だし優遇されるに決まっている。ただしあくまで入社する前までの話だけどね。」
とウェルチ氏は語っているのです。

MBAが評価されやすい欧米でもこう言われるのです。結局は資格などがあって入社しやすいことがあったとしても、最終的にはその会社に入った後の働きぶりが重要になってくるのであり、資格取得よりそのことに注力すべきなのです。
また「もしこの資格が転職に有利かどうか知りたい」と思っている場合は、恣意的な情報が入りにくい場所で確認するといいと思います。
本なども、「その資格に興味がある人に買って欲しい」わけですから、その資格の悪口は基本的に書いていませんし、資格取得講座やその学校なども、実態を全て話してくれることは少ないようです。

従って、たとえばネット上の匿名で相談できるサイト、
Yahoo!知恵袋 http://chiebukuro.yahoo.co.jp/
教えて!Goo http://oshiete.goo.ne.jp/
などで聞いてみるのも一手です。

多くの人が親切に回答してくれますが、中にはノンプロの方もいらっしゃるため全てを鵜呑みにするのではなく、情報を集約的に取得するといいでしょう。

⑤ 「大企業の方が安定していて給料が高い」「周りの人も大手企業で働くことを薦めてくるし、家族や親も納得するので大手企業がいい」

これは、古くからある「大手信仰」ですね。実際に、テレビのニュース番組などでも優良な中小企業のことが放映されることはあまりなく、結局大手企業の動向ばかり取り上げられています。やはり人間ですので、親族や友人に社名を言って「は?」と言われるより、「ああ、あそこの大手企業ね」と言われた方が嬉しい時もあるかもしれません。 だからこの内容の全てを否定することはできません。

また、確かに平均給与などを見れば、大手の方が高いですし、何といっても大手の場合は福利厚生が手厚いことが多いです。これは厳然たる事実であります。

しかし、あなたが大手に入ったからといって生涯年収が増えるかどうかは全く別の話です。大企業の平均給与というのは、“あくまで平均”ですから。
また、人事制度や給与制度がしっかりしている分、仮にあなたの努力と頑張りで会社に大きな利益をもたらしたとしても、それが給与や賞与に反映されることは中小企業やベンチャー企業と較べて少ないということも確実に言えるからです。

「自分が稼いだ分は欲しい」と思う方には大手が向いていない所以でもあります。
さらに、大手企業であれば家族や親が「知っている」ということで、理解を示すかもしれませんが、現実的にはビジネスフィールドを少しの間離れてしまった人たちの情報量は少ないと思ってください。どれだけいい会社で業界で有名だとしても、彼らは知らないからです。そういった「知らない人」の意見に耳を傾けるのはあくまで参考程度に留めておき、自分が本当に“イイ!”と思った職場を選ぶことがあなたの幸せに直結します。

そして、もし本当にあなたの家族や親が、自分たちの見栄のためではなくあなたのためを思って転職活動を支援してくれているなら、最後にはあなたの選択を尊重し喜んでくれるはずですよ。

⑥ 「働きたい会社(人気)ランキングに入っている会社がいい会社だ」

これは、大手信仰よりももっと間違った話です。確かに、人気ランキングで上位の会社は、ビジネスモデルだったりブランドネームだったり制服だったり給与待遇だったりと、何かの点で魅力的なものを持っていることが多いです。しかしその魅力的な要素が、あなたの職場の選択基準とリンクしないようであれば、 全く関係のないお話です。

また、人気ランキングに入っている会社は、多くの人が知っている会社であり、その大部分がテレビCMやブランド広告に多額の投資をしています。だから芸能界のランキングと同じだと考えればいいと思います。

しかも、学生が選ぶ「就職したい企業ランキング」ともなると、完全にイメージ先行になっていますので、転職先を選ぶ指標にすらなり得ないでしょう。ひどい場合は始めから大手企業しか選択肢がなく、その中から選んでいるということもあります。
情報が不足していると、自由記述形式では回答者が答えられないからです。

ちなみに、人材紹介会社のエージェントに「お薦めの会社」を聞いてみると、もちろん業界にもよるのですが、こういった人気ランキングとは全く別の企業で、しかし各社同じ企業を挙げてくるケースが出てきます。こういう場合は、その企業が業界内でお薦めの企業であることがわりと多いです。

⑦ 「自社よりも業績が好調な会社 や 自社より株価が高い会社がいい」

投資家としての観点から見るといいかもしれませんが、転職者としての視点から見る場合は注意が必要です。

業績好調な理由が、ビジネスモデルやポジショニング、人材の質や経営者のビジョン、といったところであればいいですが、社員の給与を切り詰めたから、ということもあります。

実際に私が見てきた企業でも、社員の給与を可能な限り絞り、利益を大きく計上しているために投資家からは成長企業と見られているが、実際の現場、特に末端部分では社員が激務にあえいでおり、病気になったりすぐに転職してしまったりしているなど、悲惨なことになっているケースがありました。

また、株価についても同じで、資本市場で評価を受ける会社が必ずしもいい会社、とは限りません。配当などが高く投資家サイドとしてうまみがある会社でも、それが株主と社員の利益相反関係を生み出しているようなことはよくあります。
株価が魅力的な会社も、やはり転職者としての視点てではなく投資家としての視点で見ても別にいいのではないかという気がします。

⑧ 「あそこは人事の人が魅力的な会社なので、とても雰囲気がいい」

企業を選ぶ基準として、「採用過程で出会った人の雰囲気・仕事ができそうか」を挙げる方は少なからずいらっしゃいます。確かに、直属の上司や経営者と面接で話すことも多く、入社後は彼ら・彼女らが上司になるわけですから、その相性はとても大切です。

しかし、人事部に配属されるのでもない限り、「人事・採用担当者が魅力的だったから」という理由で企業を選ぶ理由にするのは危険でしょう。
多くの企業で、人事や採用担当者というのは、入社後に仕事で一緒になることはなく、どちらかと言うと何かの手続き関連で絡むだけのことが多いです。

確かに、そういった採用の窓口になる人の雰囲気があまりにもひどい場合、その会社があまり良くないことは容易につきます。
しかし、その人の雰囲気がいいからと言って、あなたが配属される職場の雰囲気もいいかと言うと、それは確かではありません。
特に採用担当の窓口担当となる人間は、日系の企業の場合“感じのいい人”が充てられるケースも多く、その雰囲気の良さは何の判断材料にもなりません。

さらに、そういった人事・採用担当者は、短い期間でローテーションしたり、転職していったりすることもあります。入社したら、窓口担当の人がいなくなっていた、というケースも時々聞きます。(珍しいことではありません)

入社してから「思っていた雰囲気と違った」「人事の人のようないい感じの人がいない」と嘆いても後の祭りですので、入社前に実際の職場で一緒に働く人とできる限り接する機会を持つことをお勧めします。

⑨ 「求人情報の募集欄に記載されている年齢を超えてしまっているため、自分の年齢では応募できない」

求人情報の募集欄に明確に数字で記載されているために、そのカテゴリーに該当せず応募を諦めてしまいがちなので、この年齢表記の部分です。

もちろん、企業が募集している第一ターゲットというのは、表記されている幅の年齢の方であることは確かなのですが、だからと言ってその幅に入っていないというだけの理由では落としていない企業が多いのも事実です。

具体的には、だいたい1~5歳程度の差だと、書類審査の段階では落とさず、キャリアがよければそのまま面接に呼ぶ、という企業も多いです。

募集年齢を10歳以上超えている場合は、よほどその人が求めているポジションにマッチしている場合(キャリアだけでなく、年収も含む)でないと厳しくなりますが、求人広告に年齢を「とりあえず」「イメージで」入れてみただけで(広告を作る上でそういう欄があるので)、実際にあまり年齢は関係ないという企業も稀にあります。

他には、その募集しているポジションよりもひとつ上の職位でも空きがでていて、そちらではどうだろう、と面接に呼ばれることもあります。
従って、ただ「求人情報の募集欄に書かれている年齢を超えているから」という理由だけで応募を見合わせるのは勿体ないです。

もし、その企業がどうしても行きたい、第一志望企業であれば、まずは匿名で一度採用担当宛てに電話をしてみて、「年齢が○歳オーバーしているけれども採用される可能性はあるか(○歳は実際の差より少し多めに言うこと)」と聞いてみます。そこで相手の反応を確認し、イケそうであれば、応募書類に何かフォローとなるコメント(年齢を超えているがその分求められている要件を満たしている等)を加えて提出するのです。

⑩ 「一度面談した人材紹介会社のアドバイザーとはずっと付き合うことになる」

転職先候補を探す際に人材紹介会社を使うのはひとつの手法ですが、その際に面談したアドバイザーとの関係をどうすべきか悩む方を時折見かけます。
「何となく話が合わないのに、これからも彼に頼って仕事を紹介してもらわないといけないのか」という悩みです。

結論からお話ししますと、人材紹介会社のアドバイザーはあくまであなたの転職をサポートしてくれる候補者の1人であり、もしあなたが何らかの理由で「この人とは合わない」とか「この人は嫌いだ」と感じたら、チェンジすることができます。

実際に現役でキャリアのアドバイスをしている人に話を聞くと、自分の場合であれ同僚の場合であれそういうケースはあるそうで、それならそうとはっきり意思表示してもらった方がいいようです。(ただし、直接本人に言うよりも、窓口となり得る別の人間に、理由と共にはっきりと伝えることが望ましいです)

転職という、あなたの人生に関わる内容を扱うパートナーなのですから、無理に「この人と一緒に探さないと」と自分に言い聞かせる必要もありません。
そんなところでムダなストレスを感じず、気持ちよく転職活動しましょう。

ちなみに、あなたが「この人と合わない」と思っている場合、だいたいは相手のアドバイザーも「この転職者と合わないなあ」と思っていることが多いです。
彼らはビジネスでやっているため、そこまで露骨には言いませんが、お互い人間ですから、「合う/合わない」といったところもあります。さっくり割り切り、別のアドバイザーと次のステップへ進むか、思い切って別の会社にお願いするというのも手でしょう。

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