忙しい社会人向けの行政書士試験の勉強方法は?

勉強=机の上でテキストを読むこと、問題を解くこと」と考えている人が多くいます。それはそうですよね。子どもの頃から、ずっとそうやって勉強してきましたから。

でも、その方法は半分だけ正解だと言わざるを得ません。
今までほとんどの人が正しいと思っていた勉強方法は、実は、教室用の勉強法なのです。

学校や塾で勉強する場合、教師が教壇に立って授業を進めます。
その場合、生徒は教師が黒板に書く内容を必死になってノートに書き写します。
そして、家ではノートを見開きながら宿題をおこないます。

では机に向かって勉強する意味とは、なんでしょうか?
机は、「書く」ために必要なだけです。
勉強するために机が必要なのではなく、書くために机が必要なのです。
なぜなら、机がなければ字が書けませんよね。字が書けなければ、ノートも取れなければ、宿題もできません。

教師が授業をおこなう場合、必然的に教わる側はノートを取るという形になります。
そして、家では、教師から与えられた宿題をおこないます。
この形式は、小学校から大学、資格の学校まで同じです。なぜなら、教師が教壇に立っておこなうという授業形態に変わりはありませんから。

ですから、ほとんどの人が「勉強=机の上でテキストを読むこと、問題を解くこと」と認識しているのは、当然のことなのです。
それ以外の勉強形態に触れる機会がないのですから。

私は、先ほど、「勉強=机の上でテキストを読むこと、問題を解くこと」は半分だけ正解だと書きました。
実は、多くの方は、この半分しかない地図を手に宝探しをしていたのです。

よく考えてみてください。
「地図の半分のみ所有している人」と「地図の全体を持っている人」、どちらが早く宝を見つけられるでしょうか?
もちろん後者ですよね。しかも、重要なのは早さだけではありません。
地図の全体を所有している人の方が、宝探しの全体像を把握しているということが大切なのです。そう深さです。

実は私は・・・行政書士を合格するための道しるべを完全な形で持って試験勉強に臨んでいたのです。
多くの人は、破れた半分だけの地図を頼りにしていたというのに。

では、ここから先は残りの半分の地図について説明していきましょう。

睡眠時間は削るな!

前回、大手資格予備校にてカウンセリングを受けたお話をしましたが、実は続きがあります。
行政書士試験の勉強を始める前に・・・

その時私は、カウンセラーに自分の現状を伝えていました。

「仕事をしているので勉強時間がありません。こんな私でも行政書士試験に受かるでしょうか?」

カウンセラーは次のように答えました。
「もちろん、受かりますよ。睡眠時間を削ることになりますが、毎日2時間勉強をがんばりましょう。」

カウンセラーはこう続けました。
「つらいのは5ヶ月だけです。ほんの5ヶ月であなたの人生が変わります」
彼がその言葉を言い終わる前に、私は、カバンに資料を入れて帰る準備を始めました。少なくとも、カウンセラーが言った条件では、私には続くはずがないことが分かりましたから。勉強期間が半年以上あるか、もしくは私の働いていた会社がもう少し早く帰宅できるところだったら、もしかしたら申込みしていたかもしれません(金銭面の問題がクリアできれば、ですが)。

その時初めて帰りに市販されているテキストを購入して、独学の道で合格することを決めました。

そして・・・カウンセラーの言った「毎日2時間の勉強」を一人で続けてみました。
睡魔と戦いながら必死になって勉強しました。そして、一週間後・・・。
挫折していました(苦笑)

やはり無理ですよね。毎日睡眠3時間30分ですよ。
しかも、これだけ頑張ったのに、単語の意味は分からないわ、眠いわで、一週間経って残ったのは知識ではなく疲労だけでした。

そこで私は考えたんです。もっと効率よく勉強する方法はないかって。

結論:机で勉強しなければいい

学生時代に教わっていた勉強法に固執しすぎていたんですよね。
机で勉強しようと思ったから失敗したんです。
大切なのは、あらすじ(全体像)を理解すること

実は、学生時代におこなう勉強法は主に「読む・書く」だけを繰り返しやっているんです。
昔、こう言われたことはありませんか?
「分からない漢字・覚えられない単語は書いて覚えましょう」
って。

確かに「書く」ことは大切です。それは認めます。でも、「書く」ことに頼りすぎるのは危険なんです。なぜだか分かりますか。

「書く」のは時間がかかりすぎるからです。
そして、「書く」のは「暗記する」ためには効率的だが、「理解する」ためには最低の効果しか得られないんです。
つまり、「暗記する」ということと「理解する」ということはまったくの別物なのです。

「暗記する」ということと「理解する」ということを混同している人が多いように思われます。
例えば、「桃太郎」を例にとってご説明しましょう。
桃太郎がどんな話かは分かりますよね。桃から生まれた桃太郎が、犬・猿・キジをきびだんごで家来にして、鬼ヶ島へ鬼退治に行くという、ストーリーです。

実は、ここでいう「理解」とは、桃太郎の話がどんな内容なのか知っているということなんです。つまりあらすじが分かる、ということです。
そして「暗記」とは、桃太郎の家来を答えられるということです。つまり、ここでは「犬・猿・キジ」をきちんと答えられる、ということになります。

桃太郎を初めて覚えようとする人に、あなたは「あらすじをすべて書き写した方がいいですよ」と言いますか?
言いませんよね。
だいたいそんなことやっていたら、書いてるだけで嫌になるし、内容はほとんど覚えられないし、余計な時間を使うだけで何一ついい事なんてありません。

実は、多くの人が取り組む勉強法は、この最低の効果しか得られない方法なんです。
1ページ1ページ必死になって覚えていませんか?
10ページ進むごとに復習していませんか?
何ヶ月もかけて最後まで辿り着いたと思ったら、最初のほうはすっかり忘れていませんか?

勉強で大切なのは、まず「全体像をつかむこと」なんです。あらすじを理解する、ということです。それは「桃太郎」でも「行政書士試験」でも同じことです。
あなたは、普段、小説を読んでいるときに、ノートに書き写したり、10ページ進むごとに復習したりしますか?
決してしないはずです。それでも、大まかなストーリーは覚えていますよね。
それが大切なんです。

一度読んだだけでも、大まかなあらすじは覚えてしまっている。
では、2回読んだら、3回読んだら、どうなりますか?
何度も何度も読んであらすじをきちんと把握した上で、重要な言葉についてのみノートに書いて暗記すればいいのです。

まず、「話す(読む)・聞く」で全体像のあらすじを理解する。
その上で、こまかい重要単語についてのみ「読む・書く」で暗記していく。
これが「行政書士試験に受かる勉強法」の基本です。

「話す(読む)・聞く」で理解する

まず、「話す・聞く」ということに関してご説明していきます。
勉強をスタートするにあたって、まずやらなければならないことは「話す・聞く」ということです。つまり、あらすじを覚えるということです。

ここまで読まれた方なら、もうお分かりですよね。
なぜ、最初に「書いて覚えてはいけないのか」。

ここからは実践に即して解説していきます。まず、今お持ちのテキストを開いてみてください。
資格の学校の教材がある方はそのテキストを、独学の方は購入された書籍をご覧ください。

まず、やっていただきたいのは、テキストすべてを「音読」してください。
声に出して、一字一句読み上げてください。
まずは法令編だけで結構です。一般知識については読まなくても構いません。

実は、私はこれだけで丸1日かかりました。
なにせ500ページもありましたから。

ここで、大切なポイントがあります。
このマニュアルで「音読」を「話す」と言っているのには訳があります。
「音読」は字のごとく「声に出して読むこと」です。

実は「声に出して読むこと」自体も大切なのですが、あなたの「声」そのものがこの先、最も大切な勉強ツールの一つとなるのです。
音読する際には必ず、あなたの声が録音できる機械を準備してください。

そして、テキストの一字一句を読み上げるあなたの声をテープなどに録音してください。
こうすれば、テキストを読み終えた時、あなたは、購入すれば通常何万円もする貴重な教材を簡単に手に入れているのです。
しかも、その教材の講師はあなた自身です。
自分の声なら、読み間違えたり、途中で生活音がしたりすることなども、その部分のテキスト内容を印象付けるよいきっかけとなります。また、ずっと聞いていても不思議と眠くならないという、うれしいダブル特典付です。

とはいえ、テキストを全て音読することは本当に大変です。
私は、1ページにつき1分30秒を目安に猛スピードで読んで、途中休憩を挟みながら進めて、15時間ほどかかりました。

日曜日の朝8時から始めて、途中、休憩を何度も入れながら進めたら、終わったときは夜の11時を回っていたのです。

でも、これがその後の私にとって、本当に大切な一日となったのです。

「話す・聞く」の効果的勉強法

以下に、私が行政書士試験の勉強を開始してからの34日間、実際に行なった勉強スケジュールを記載します。

《用意するもの》 基本テキスト(法令)、録音機、カセットテープ

1日目
テキスト法令を音読、声をカセットテープに録音

2日目
憲法をカセットテープで聞く

3日目
憲法・民法をカセットテープで聞く

4日目
民法をカセットテープで聞く

5日目
行政法をカセットテープで聞く

6日目
その他法令科目をカセットテープで聞く

7日目
憲法を「音読」から「話す」で録音し直す

8日目
憲法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

9日目
憲法(共に「話す」バージョン)・民法をカセットテープで聞く

10日目
民法をカセットテープで聞く

11日目
行政法をカセットテープで聞く

12日目
その他法令科目をカセットテープで聞く

13日目
民法を「音読」から「話す」で録音し直す

14日目
憲法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

15日目
憲法・民法(共に「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

16日目
民法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

17日目
行政法をカセットテープで聞く

18日目
その他法令科目をカセットテープで聞く

19日目
行政法を「音読」から「話す」で録音し直す

20日目
憲法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

21日目
憲法・民法(共に「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

22日目
民法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

23日目
行政法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

24日目
その他法令科目をカセットテープで聞く

25日目
その他法令科目を「音読」から「話す」で録音し直す

26日目
憲法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

27日目
憲法・民法(共に「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

28日目
民法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

29日目
行政法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

30目
その他法令科目(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く

では、この30日間の勉強法について解説します。

ここは、最重要ポイントです。
目を凝らして読んでください。
なぜなら、今日このマニュアルを読み終わったあとにすぐに実行してほしいことが書いてあるからです。

[ 1日目 ]

これは先ほども触れたとおり、「音読」での読破です。
実は、この意味は3点あります。
① 全体の流れを理解することができる。
② カセットテープに録音することで聞くことが可能になる。
③ 行政書士試験を乗り切れる自信が持てる。

①「全体の流れを理解することができる」

ここは先ほど説明したとおり、あらすじを読むという作業になります。
私は、休憩をとりながらゆっくり進めましたので、実際の作業時間は約12~13時間でした。

黙読と音読では、はっきり言って効果が違います。黙読は、ただ目で追っているだけですが、音読は、実際に声を出します。「声を出す」ってほんとに疲れるんです。
その証拠に、目で追うだけより声に出して読むほうが何倍も時間がかかるでしょう。
しかも、12時間以上、声を出しっぱなしです。

でも、これをやってみると自分に跳ね返ってくるものの大きさに、あなたも驚くはずです。
音読は黙読より2倍疲れます。でも効果は10倍です!

②「カセットテープに録音することで聞くことが可能になる」

①の音読作業をおこなっている間に録音した自分の声は大切な教材となります。
なぜなら、テキストを聞けば聞くほど、理解の深さに繋がるから

よく「隙間学習」や、「ながら学習」という言葉を使いますよね。
「隙間学習」というのは、ほんのちょっとした時間を有効に使って勉強する手法です。

例えば、電車に乗っている時、トイレに行っている時、待ち合わせで知人を待っている時など、ほんのちょっとした暇な時間ってありますよね。
その空いた時間を利用するのです。

5分でも、10分でも構わないから、ちょっとした暇があったら勉強する、というものです。
「ながら学習」とは、名前のとおり「何かをしながら」学ぶ手法です。
例に挙げると、テープを聞きながら家事をする、といったようなものです。

この2つは学校では教わらない勉強法です。なぜなら、教室用の勉強法ではなく、机の前にいなくてもできる勉強法だから。

でも、この2つの勉強法には大きな違いがあります。
「集中力」という違いです。
つまり、「隙間学習」というのは、短い時間に集中して勉強するやり方です。
しかし、「ながら学習」は、複数のことに意識を向ける手法です。

結論から言わせてもらえば、
「隙間学習」は大きな武器
「ながら学習」は大きな無駄
です。

これは私の実体験になりますが、「隙間学習」というのは「5分しかない」「10分の間にできることをやる」、といったように近い未来に期限が決められています。
だから、たとえ短時間であっても、ものすごい集中力が発揮できるんです。

一方、「ながら学習」というのは、大変な時間を割くにも関わらず、悲劇的に効率の悪いやり方です。
複数のことに意識が散ってしまい、何も頭に残りません。
これから先は、私が、どうやって隙間学習で勉強を進めていったのかについて説明していきます。

具体的に言うと、通勤の往復をフルに使いました。
私の場合、通勤で片道1時間かかっていました。往復で2時間です。
毎朝7時に起きて8時の電車に乗る。9時から23時までは仕事。そして帰りは23時過ぎの電車に乗り、家に着くのは24時を過ぎているという具合です。そのあと、ご飯を食べて、お風呂に入る。あとは、本を読んだりパソコンをやったりして、26時頃寝るという習慣が身についていました。

これでは机に向かって勉強をおこなう時間などありません。
そこで考えたのが「通勤時間の隙間学習」 です。
毎日、往復2時間も電車に乗っているんですから、これを使わない手はありません。今までは、満員の電車の中、ひたすら立ったまま寝るか、メールを打つといった時間でした。

でも、ようやく気付きました。
この隙間の時間を有効に使えば受かるんじゃないか。
イスに座って字を書くことはできませんが、一日に2時間も使える時間があるんですから、どうにかなるんじゃないかと思いました。

そこで思い付いたのが、この「カセットテープ学習法」なんです。
分かりやすいように、先ほどの勉強開始日から34日目までのスケジュールを今度は勉強時間を入れて説明してみましょう。

《使用教材》 基本テキスト(法令)、自己作成テープ

1日目
テキスト法令を音読、声をカセットテープに録音 12.5時間

2日目
憲法をカセットテープで聞く 2時間

3日目
憲法・民法をカセットテープで聞く 2時間

4日目
民法をカセットテープで聞く 2時間

5日目
行政法をカセットテープで聞く 2時間

6日目
その他法令科目をカセットテープで聞く 2時間

7日目
憲法を「音読」から「話す」で録音し直す 10時間

8日目
憲法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

9日目
憲法(「話す」バージョン)・民法をカセットテープで聞く 2時間

10日目
民法をカセットテープで聞く 2時間

11日目
行政法をカセットテープで聞く 2時間

12日目
その他法令科目をカセットテープで聞く 2時間

13日目
民法を「音読」から「話す」で録音し直す 10時間

14日目
憲法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

15日目
憲法・民法(共に「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

16日目
民法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

17日目
行政法をカセットテープで聞く 2時間

18日目
その他法令科目をカセットテープで聞く 2時間

19日目
行政法を「音読」から「話す」で録音し直す 10時間

20日目
憲法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

21日目
憲法・民法(共に「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

22日目
民法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

23日目
行政法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

24日目
その他法令科目をカセットテープで聞く 2時間

25日目
その他法令科目を「音読」から「話す」で録音し直す 10時間

26日目
憲法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

27日目
憲法・民法(共に「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

28日目
民法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

29日目
行政法(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

30日目
その他法令科目(「話す」バージョン)をカセットテープで聞く 2時間

7日目以降は、土曜日に10時間かけて「話す」に録音し直したテープを含め、全ての法令科目を月~金の5日間に分けて2時間ずつ聞いているのがお分かりになると思います。
つまり、1週間の内訳でいうと、平日10時間、休日10時間、計20時間という勉強量になります。

③「行政書士試験を乗り切れる自信が持てる。」

行政書士試験の勉強時、不安に陥る要素の一つに
試験日までに合格力を身につけることができるのだろうか
というのがあります。

独学の場合には、指導してくれる講師やカリキュラムもないので、不安は余計に大きくなります。
特に私の場合には、法律知識ゼロから独学ではじめ、日数も100日という期間しか残されていませんでした。はっきりいって不安で不安で仕方ありませんでした。

でも、その不安のうちの大部分はあっという間に消えました。
なっ、なんと1日でですよ。
たったの1日です。
なぜなら、1日目にして自分がやらなければならない勉強の全体像を肌で実感してしまったんですから。覚えるべき量を把握できたんですから、気持ちはラクになりますよね。
しかも、1度すべてを声に出しているんです。それは大きな自信になります。

あとはカセットに録音した自分の声を聞くだけです。
ひたすら聞くだけです。
もう一度、私の1日目~30日目までの勉強スケジュールをみてください。
私が、テキストすべてを聞くのに何日かかっていたか分かりますでしょうか?
そうです。5日間です。

つまり、私は毎週毎週、テキストに書かれていることのすべてを聞いていたのです。
大切なことなので、もう一度言いますね。
私は、5日間でテキストすべてを耳に通していました。
しかも、それを毎週毎週やっていたのです。

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